親子上場解消のために、親会社が子会社株をTOBによって100%取得して非公開化するケースが多く見られます。ガバナンスが重視される中、この動きは今後も続くでしょう。
ここで一つ考えられるのは、東証再編が親会社から見てチャンスになるという点です。具体的には子会社が現在東証一部上場でプライム市場から外れるケースです。プライム市場の基準を満たせず、スタンダード市場へ移行する場合、株価は下落する可能性が高いと思われます。それは、TOPIX型のインデックス対象から外れ買いの需要がなくなるためです。売りが出ることも充分考えられます。
子会社株の下落は、親会社にとって安いコストで子会社株を取得出来るチャンスです。もし100%子会社化によって親子上場を解消しようとしている親会社が存在し、その子会社が現在東証一部でプライム市場基準を満たしていないなら、そのまま対策をせずプライム市場落ちしてもらった方がありがたいわけです。TOB価格が安くなる可能性があるからです。
この点を踏まえて、東証一部上場でプライム市場落ちの可能性のある子会社株への投資について考えてみます。結論として、プライム市場落ちして株価が下落したところで投資するのが良いように思います。もちろんプライム市場落ちを避けるため、親会社が先手を打ってTOBをするケースも出てくるでしょう。株式の売り出しなどで基準を満たすケースも考えられます。しかし今の段階で、TOBを期待して投資するのはリスクが大きい気がします。自分が親会社の立場であれば、子会社のプライム市場落ち→株価下落→TOBと進めたいですね。その方が(親会社)株主の利益になると思うからです。