オリックス(8591)は、100株以上保有の株主優待として商品カタログを配布しています。保有期間が3年未満の株主は5,000円程度、3年以上の長期保有株主は10,000円程度の商品を選択できるので、かなり価値の高い株主優待です。
2019年3月期に16万円で100株保有していた株主は、年間配当金7,600円+カタログ商品5,000円=12,600円を得ており、利回りは7.9%でした。2020年3月期について当社は中間配当35円のみを公表しており、期末配当は非公表です。このため年間の配当金は確定していませんが、前期に比べて大幅な減配にはならないと思われます。仮に前期と同額の配当・優待であれば、2019年10月23日の株価1,684.5円に対する利回りは7.5%となります。
当社は業績予想を開示していませんが、PER、PBRなどは低位にあります。巨大企業で企業であることはわかるものの、主力事業や収益の柱、方向性がみえないというコングロマリットディスカウントの状態になっているといえます。
さらにこの100株主だけを優遇する株主優待制度も株価を低位に沈める一つの要因かもしれません。すなわち200株、300株と保有すればするほど優待込みの利回りは低下してしまうからです。これでは利回り重視の個人投資家は200株以上買うことに躊躇してしまいます。
仮に株主優待の商品カタログを変更し、100株で1,000円、200株で2,000円、、、1,000株で10,000円、あるいは100株で5,000円、200株で6,000円、、、1,000株で14,000というように保有株数に応じてカタログ商品の価格を上げていけば、株価にもプラスに働くような気がします。