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大和ハウスリート(8984)は物流と住居が主体

大和ハウスリート(8984)の説明会に参加しました。

 

同社は2016年に大和ハウスレジデンシャルと旧大和ハウスリートが合併したリートです。大和ハウスレジデンシャルは居住施設、旧大和ハウスリートは物流施設を投資対象とするリートでした。

 

合併により現在では資産規模7,505億円の大型の総合型リートとなりましたが、内訳は、物流施設51%、居住施設33%、商業施設13%、ホテル他3%と、物流施設と居住施設で全体の84%を占めています。オフィスビルを保有しない、少し珍しい総合型リートといえます。また物流施設は大半がBTS型(Build to Suit)で、スポンサーの大和ハウスが特定のテナントのニーズに合わせて建設し、そのテナントに一棟全部を賃貸するタイプとなっています。このため契約期間が長期である事が特徴の一つと言えます。

 

予想分配金は19/8期5,170円、20/2期5,370円で、利回りは4.1%となります。なお、巡航ベース(固定資産税等の費用化後で売却益などのない通常ベース)の分配金は、6カ月で5,270円です。合併後の巡航ベースの分配金は、16/9期の4,700円から2年半で12%増加したことになります。この要因は主に、合併後3回の公募増資により資産規模の拡大に成功したためです。スポンサーである大和ハウスの開発パイプラインは、物流施設を中心に4,000億円ほどあり、今後も規模の拡大を図る方針です。

 

一方、投資口価格は他の総合型リートと比較して、低い上昇率にとどまっています。これは賃料上昇が顕著なオフィスを保有していないこともありますが、もっと大きな要因は、合併時に発生したのれん代と内部留保の関係にあると思われます。

 

同社は19/2期末現在、合併によるのれんが694億円あります。合併後20年間にわたって毎期20億円づつ償却していきます。この償却分を現在は89億円ある内部留保の取り崩しにより補い分配金に影響のないようにしていますが、内部留保が枯渇するため、この方法はあと数年しか出来ません。

 

このため数年後にはのれん償却額相当分を、今度は利益超過分配により補う方針です。物件の償却費の多い物流施設を多く持つためそれができることは強みではありますが、やはり利益超過分配金は資本の払い戻しであるため、多少嫌われる面があると思われます。物流リートや太陽光インフラファンドでは一般的ですが、出来れば通常の利益からの分配金の方が好ましいと思います。頂く分配金に色はありませんが、このあたりの懸念が投資口価格の重しになっているのでしょう。

 

投資口価格対策として、2019年秋から大和ハウスの社員に対して持投資口会制度を導入します。積立額に対し5%を報奨として上乗せし買い付けます。大和ハウス社員16,000人がどれだけ制度を利用し、1人月額どの程度買うかは未知数ですが、もともとの分配金利回り4%と報奨5%の上乗せはかなり魅力的に感じます。私が社員ならぜひ参加したいと思います。

 

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 出所:SBI証券

 

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