田辺三菱製薬(4508)は、20/3期も56円配当を維持すると発表しました。大手製薬メーカーとしては数少ない4%超えの配当利回り銘柄となります。
多発性硬化症治療薬の技術導出先であるノバルティスからのロイヤルティの受け取り額が大幅に減る可能性があり(ノバルティスがロイヤルティの一部について支払い義務がないと主張)、それを前提とした20/3期予想EPSは9円です。つまりロイヤルティの減少が現実となれば、56円配当はかなり無理した計画となります。
ロイヤルティの交渉が不透明な中、56円配当を計画した背景には財務的な余裕があるからこそだと思います。さすがですが、それでもやはり将来の減配懸念は拭いきれません。
親会社の三菱ケミカルホールディングス(4188)によるTOBがあれば面白いのですが、それに期待するのは、時期を含めてあまりにも短絡的でしょう。ノバルティスとの紛争は長引きそうですし、当面難しい状況が続きそうです。